旅行記(ザンクト・モリッツ、ツェルマット、ミラノ編)その4
明けて次の日は、まずブレラ美術館へ。美術学校と併設されているのだろうか、独創的な格好をした若者がたくさんいた。もし宗教画に興味のある人なら、絶対行って観るべきだと思う。同じキリストのはりつけ図でも画家によって表現が違う。マリア様も老いたのや若いのや様々。90%程が宗教画。最後にセガンティーニの絵がありザンクト・モリッツでセガンティーニ美術館へ行けなかった私はとりあえず満足。
またテクテク昼食のレストランを探すも軽食屋はたくさんあるのにレストランは本当にない。結局Barとこっちで呼ばれる軽食喫茶(すごい表現)のようなところで出来合のパスタとラビオリを食べる。そしてドウオモの前でジェラートを食べる。ピスタチオとイチゴ味でどちらももちろんおいしかった。やっぱりイタリアに来たんだしオリーブオイルとバルサミコをイタリアの食材店で買う。きっとおいしいことだろう、、、。
その後スピーガ通りを抜けたところで2人の女性に絡まれる。主人のポケットから堂々と財布を抜き取ろうとするのである。そのポケットは空っぽだったけど。まず一人が大きなおなか(本当に妊娠しているかは知る由もない)をさすり、金を乞いつつこっちの気を取る。もう一人が新聞で主人の前ポケットを周りから隠し、最初の女性がなんと、恥も外聞もなく財布を抜き取ろうとするのだ。思わず私は「HEY!!」と叫ぶ。主人も指を彼らに突きつけ「HEY!!!」。そそくさと2人は歩き去った。
結局何も取られなかったけど吐き気がした。同じ女性として、大きなおなかを餌に罪を犯そうとするなんて、本当にそれこそ女性として、母となる人として恥だと思った。泥棒してどうするの?そしてそれを裏で指図しているのは男性なのである。チューリッヒのバンホフ通りや、チューリッヒ湖畔で何度も何度もいつも同じ2人組の女性が金乞いをしているのを見たことがある。同じ2人が(2人組かはわからないけど)いつも、一人は乳飲み子を餌に金乞いをしているのである。一度、私はその女性が乳房をあらわに子供に吸わせたその状態で金乞いをしているのを見たことがある。とにかく見る度吐き気がする。それは自分でもわからないのだけど、女性として母として恥だと思うからか、いつか自分がああなる可能性があるかも、、、と思うからか、私は絶対にああはならないと彼女たちを蔑んでいるからか、とにかく吐き気がする。気を取り直し、私達はcafeでおいしいカプチーノを飲んだ。
さて一度ホテルに戻りしばし休憩した。そのあと私達は夕食のレストランを探す。よくよく見てみるとやっぱりリストランテはそこかしこにある。ブエノスアイレス通りという大きな通りだけ歩いていると服屋、ファストフード店が目立つがちょっと横道に入るとおいしそうなリストランテがある、ある。その中で結構大きなお店があったのでそこに入った。とにかく昼食の量が少なくその後ジェラートだけで歩きづめだったので腹ぺこだった。だいたいミラノのレストランは、夜は7時過ぎに開くようだから、スイスでは7時までには夕飯を食べ始めている私達はおまちかねだった。 私達はパルマの前菜、ボンゴレのパスタと、オリーブ、マッシュルーム、アーティチョーク、ケパー等の入ったパスタ。イカの天ぷらのようなものとたらふく食べ、ティラミスとコーヒーのデザートで閉め。これだけで8万リラほど。明日はいよいよ帰途につく。
朝9時25分の列車でキアッソへ。車両はなぜか凍る寒さ。10時12分着。簡単なパスポートコントロールを済ませてポストバスでFoxTownへ向かった。途中自家用車やトラック用の越境審査所を見たが、陸続きのヨーロッパという感じで、日本ではまず見ない風景に何故か情緒を感じてしまった。 FoxTownでそそくさと買うものだけかって、徒歩でメンドリージオの駅へ。15分ほどだった。そこからはまずベリンツォーナまで普通電車で、そこからはザンクト・ゴタードを越えてひたすらチューリッヒまで北上した。いよいよ楽しかった旅行も終わり。
05/08/01