バスケットボールダイアリー3 by Rika in PARIS
《妊娠8ヶ月》
30週目を超えたあたりから、体調の変化があった。急に疲れを早く感じるようになった。今までと同じペースで歩けない。徒歩通学も地下鉄通学に変えた。お腹はすくが、一度にたくさんの量をたべれない。水は飲んでも飲んでもでていく。お腹の中に芽生えた子は、地震か?!と思うほど、動く。
今まで、ジャケットをはおっていると、あまりお腹の大きさは目立たなかったが、その頃から、どこからどうみても、立派な妊婦さんになった。バスに乗っていても、よけられない。夜寝ている時、寝返りしたくてもできない。自分の身体の重さを感じる。今までは、時々自分が妊婦だということを忘れていたが、ここまでくると、もう、いつ、なんどきも、自分はひとりじゃないということを感じるようになる。
フランスでは、妊婦さんはとてもプラスに考えられていて、みんなにきれいだ、きれいだ、と言われるのが、気持ちいい。しかし、こっちの妊婦さん、15キロから20キロくらい太る人って、たくさんいるのに、妊娠中毒症になったという人を聞いたことがない。あの人らの身体って、一体全体、どうなってるんだ???でも、そんなに太っちゃ、やっぱり、もとの体重にもどるのに、1年くらいかかるらしい。
《名前》
いつも話題になる、子供の名前。あたし達は、日本語の名前1つのみをつけようとしているから、ちょっと大変。フランス人に簡単に発音できて、日本人にも印象のよい名前。
レミは「わたし」とか「トトロ」とか音的にいいんだけど、と、わけのわからないことを言う。そして、あたしが好きな、漢字一字、音2音、たとえば、海(かい)、風(ふう)、拓(たく)などは、短すぎてだめだというし、遼太郎、などだと長過ぎるという。その上、「ふう」だとfou=crazy,「たく」だとta(ton) cu=おまえのケツを連想させるから、子供にとって悪い。
そうなると、本当にみつからないもので、2人ともいつも途中でなげだしてしまって、いまだにnotre franco-nipponと呼んでいる。みんな、最後はどうやって、決定したんだろう???
《妊娠9ヶ月》
そして32週目。もう、この時期になると、産科、血液検査、麻酔科、アプトノミー、etcと、なにかしら、週に2回くらいは、病院関係のイベントがある。あと、超音波検査にも行かねばならない。なにかと忙しい毎日。
先日、notre franco-niopponが活発に動いてくれるおかげで、気持ち悪くなり、とうとう寝込んでしまった。海(羊水)に揺られる船(notre franco-nippon)を真下に見おろしながら、こっちの方が、酔ってしまったのだ。。。さらにお腹の下の方で、蹴られると、いたい。もうちょっと、静かにね!と口にだして言ってしまうほど、活動さかん。それはそれで、うれしいことなのだけれどー。
またしても最近、足がひんぱんにつるようになってしまった。誰か助けてくれ〜とさけんでも、こればっかりは、ひとりで、のたうちまわるしかない。お腹が痛いのよりも、手強い。
《育児雑誌》
日本にいる友達のリクエストで、こっちの妊娠・出産・育児に関する雑誌を買うこととなった。3〜4冊、「たまごくらぶ」のような雑誌がこちらでも売られている。中をみると、なるほど、おしゃれに作られているところが、おフランスっぽい。モデルさんもきれいで、おしゃれな妊娠生活がうかがわれる。現にこっちの人は、だっぽりした妊婦服を着るわけでもなく、スパッツなんかはいて、全然所帯じみてないところがいい。Beaute(ビューティー)に関する欄も必ずあって、美追求は、いつ何時でも欠かさない。
日本のは、読者モデルがほとんどで、現実感があり、それはそれで良いが、日本の雑誌を眺めながら、なんか、日本の妊婦さんって、マイナスのイメージを受けてしまうのは、あたしだけだろうか???そう言えば、仕事でよく日本に行くフランス人の友達も、「東京にいると、妊婦さんって見かけないねー。」っと言っていた。それって、みんな、家でじっとしているからであろうか。。。
《エコグラフィー2》
3回目(最後)の超音波検査に行ってきた。先生に、頭の大きなお子さんですねー!と言われた。かわいそうに、完璧にあたし似だー!(たぶん、日本人にとっては、普通の大きさなのだろうけど。)そして、大きな子がでてきそうだ、とも言われた。巨大児がでてくることは、覚悟のもと。あたし自身、出産時3800グラムあったから、仕方ない。蛙の子は蛙である。
《楽なフランス人?》
フランスでは、90%の妊婦さんが、無痛分娩。無痛といっても、少量の麻酔薬を投入するだけなので、陣痛は、感じるらしい。そして、80%の人が会陰切開をするらしい。でも、あっというまに縫い上がってしまうし、後に何の問題もないというので、あたしもきっと、みんながやるのと同じようにやるのであろう。
《妊娠10ヶ月》
最近、急に暑くなったせいで、身体の重さをさらに感じるようになった。最後の2〜3ヶ月で、体重がどっと増えると聞いていたのに、連日の暑さと疲れで、食欲がなく、最後の月は、前月と比べ、700グラムしか太らなかった。
出産当日に関して、日本の妊娠に関する本を読んでいると、別に早めに病院にいっても、かまわない、がまんするな、という書き方をしているが、こっちは、そんな早めに病院に行く必要はないという考え。そこでも国民性がでている。
まず、最初の陣痛がくると、Spasfonという腹痛の薬をおしりに入れる。そして、シャワーを浴びて、リラックスする。そして、1時間以内にもう一度、同じ痛みがくれば、もう一度、同じ動作を繰り返し、それでも、痛みがおさまらなければ、レミに電話して、病院に連れていってもらう。
レミの会社から、家まで、地下鉄で30分、家から病院まで車で30分。最近夜はよくお腹がいたくなるが、昼間は比較的元気なので、学校へは普通通り通っている。だから、家にいる時に陣痛がきてくれれば良いのだが、これが、地下鉄にのっている時や、授業中とかにきたら、どうしよう。。。こればっかりは、予測できない。まぁ、なるようにしかならないなのだろうけど。
そして、レミとあたしは、最後の2人きりの生活をエンジョイする暇なく、notre franco-niopponの部屋(スペース)つくりに忙しい。とにかく、ワンルームに住んでいるあたし達にとって、彼の部屋はない。カーテンでしきりを作ったり、洋服を入れる棚をつくったり。。。部屋とバスルームをつなぐ、通路が彼の部屋となる。狭いかわりに、あとは、かわいく飾ってあげよう。
《出産予定10日前???》
日本で最初に撮った超音波検査でみた、胎児の大きさから、当初、出産予定日は、6月1日だと言われていた。しかし、あたしの記憶している、最後の生理から計算すると、予定日は、6月15日に変わった。結局、3回目の超音波検査の結果、1日より前に産まれる可能性は少なく、15日以降になることはない、間をとって、6月7日か8日くらいだろうということになった。こんな大事なことまで、テキトーなあたし。。。
昨日、出産するクリニックからもらった、赤ちゃんとお母さんの準備品リストをみて、3月に出産した友達にアドバイスを受けながら、準備をした。後は、紙おむつ等買うだけ。もうすぐだ!と気持ちが高ぶる。(フランスでは、ほとんどが紙おむつ。)おっぱいに関する小道具とか、知らないものだらけで楽しい。この間から、乳児のつばは、酸味があるので、出産前から、レモンで乳首をマッサージすると良いと、アプトノミーの先生にアドバイスを受け、毎日行っている。
後は、五体満足!、それだけを願って、幸せとお腹の痛みを感じながら、毎日を送っている。。。