スイスで保険に入る

「スイス人と結婚する際の手続きについてーその3−」でも述べたが、スイスに住むのなら健康保険に入ることは義務である。1996年より全てのスイス国内居住者にその義務が課せられる法律が出来た。<Krankenversicherungsgesetzes>

滞在許可申請の中で、市の健康課よりその旨の書類が送られてくる。入国の日から3ヶ月以内にどこかの保険会社の健康保険に加入しなければならない。スイスは、日本のように国や会社で加入するのではなく、私的な会社におのおのが加入する。保険料やサービスももちろんまちまちである。市からの書類には、ご丁寧にも様々な会社の名前、住所、電話番号、保険料が書いた紙が入っているので、そこから適当に選べばよい。

  私は、義姉の働いている保険会社で加入することにした。が、その手続き、対応とは本当にお粗末なものであった。まず義姉から申し込み用紙をもらった。(彼女の名誉のために言うが、彼女はこの手続きには一切関係ない。)それに必要事項を記入して市内の支店に返送した。待てど暮らせど返事がないので、電話をすると「わからない。」再度、今度はその支店から申し込み用紙を送ってもらい、記入して、返送するもまたまた何の音沙汰もない。電話をすると「見あたらない。」怒った私は、直接その支店へと怒鳴り込むことにした。

 なんと担当の女性は、月曜日から木曜日の午前中しか働いていないと言う。いつどれだけ働くかは、私の知ったこっちゃないけど、自分の仕事に責任を持てと言いたい。そして周りの人にもわかるようにしておかないと自分が仮に不慮の事故で死んだり何かしたらどうするというのだろう。また、同じ会社で働いてる者として、同僚も、「わからない」じゃなくて、調べる努力をするとかしないとプロじゃないだろうと思う。こっちは、担当者とか、そんな社内の事情はどうでも良いのである。行った保険会社に加入したいのである。担当の女性に加入するのではないのである。対応した男性にそんなことほざいても、理解するような人物じゃないことは明らかだったので、持って行った申込書のコピー等を彼女に渡すよう伝え、その男性の名刺ももらい、何とかするようお願いした。


  数日後、渡したコピーを担当者が清書した申し込み用紙が送られてきて、私はそこに”3回目”のサインをして返送した。その数日後、やっとの事で加入手続きが終わりました、と言う手紙が届いた。


  先にも書いたが、健康保険には、入国後3ヶ月以内に加入しなければならない。それが危ういほどの遅い、お粗末な対応だったのだ。保険会社には、こちらが”何度も”申し込み手続きをしているにもかかわらず、保険会社のミスによって遅延し、ましてや3ヶ月以内に手続きが行われなかったならば、保険会社の落ち度としてその旨、市に伝える、と言った。こっちが、さっささっさと行動を起こしているのに罰金を払う理由は何らないのである。(はい、そうです。もし3ヶ月以内に加入しなかったら、罰金が科せられます。)
  
  誰がスイスの職業教育は優れてると言ったのだろう。他のページにも書いたが、スイスの市役所やお役所とはぱっぱぱっぱと事が運んだが、私的な会社となると、本当に遅い、プロ意識のない対応であった。

  私も、前に働いていた経験から、お給料をもらっているのなら、プロ意識を持って、なあなあではなくきちんと仕事をしなければならないと思うし、それはもちろんどんな仕事でも同じであるし、どれだけ稼いでいても同じである。それが出来ずに、お子ちゃまのような仕事の仕方をするのであれば、人の迷惑なのでとっとと辞めればいいのだ。

  本題とずれてきたけれど、とにかく早め早めに手続きはした方がいいと思う。

さてこの件には後日談がある。結婚したために、名前の変更を依頼したのだが、その後何度も違う名前で送られてきた。また、同じ保険者番号なのに、毎月毎月2通づつ保険料納入用紙が送られてくるのが続いた。どんな仕事をしていたら、こういう初歩的なミスが犯せるのだろう。本当に頭の痛くなることばかりである。両者とも担当者にファックスすることによって直してもらったが、何でこっちがそんな無駄なことに時間をとられないといけないの?と思う。

  保険料は毎月、または3ヶ月分一括とか色々な支払方法が指定できる。また、追加の保険、例えば入院したときに個室に入れてもらえるとか、海外で入院する場合に、本当なら飛行機に乗れる状態になればすぐスイスに戻ってこちらの病院で治療しないと駄目だが、そのままその国で治療できるとかいうものに加入することも出来る。私もこの追加の保険に入ったが、勿論子宮内膜症(既往症)の場合は除外である。

もし病院に行かないといけなくなったときについてはスイスで病院に行くを参考に。

15/05/00