ハプニング編(その1?)
先日のこと。バスに乗るとき、中学生ぐらいの男の子が手伝ってくれた。ベビーカーをバスに乗せるとき、勢い余って、部品が2つスポーンと飛んでいってしまった。一つはバスの下に落ちたのを見たので、あわてて手を伸ばしてとった。もう一つがなかなか見つからない。階段の所を見ても落ちていない。だんだん焦って、バスの下を何回も見たけれどやっぱり落ちていない。運転手も降りてきて、探してくれるも、後ろには車が軽い渋滞状態。
運転手は「動くから、そしたらもう一つが見えるかも知れないし、、、」と言ってくれたので、私は、タイヤの陰にでも隠れてると良いのにと思いつつ、バスが動くのを待った。バスは前に数メートル動いた。まだまだ前に動いた。まだまだ、まだまだ、、、、。ええーっ!!!!止まってくれないのー!動いたら、見つかるかも知れないって言ったでしょう!?どこ行くのー?子供はバスの中じゃん!
このとき
私:それでも、あの交差点のところで止まってくれるはず、としつこく道路の上を、部品探索中
息子:バスの中に置き去りにされ、母に捨てられたとパニック状態
男の子:同じくバスの中で、手伝った手前ちょっと罪の意識でオロオロ(多分)
道路に部品は落ちていない、バスはどんどん遙か彼方へ去っていく。よーっしゃーーー!もう、次のバス停まで走るしかないやろー。
そのバス停から次のバス停までは、珍しくかなりかなり距離がある。その上猛暑でカンカン照り。でも、息子愛しさに走って走って走りまくった。 すると、遠くに手を振る人が、、、。あの男の子だ!と言うことは息子を降ろして、待っててくれてるんだ。本人は速く走ってるんだけれども、きっとトロトロしてるように見えたろう。でもだんだん、その子に近づいて来た。そして、息子のベビーカーも、それを囲む数人の人も、、、、。 更にもう少しというところまで近づいて、息子の泣き声がギャーギャー聞こえてくる。2人の女性と、男の子が息子を囲んで、あやしてくれている。やっとたどり着くなり、年輩の女性が「まー、何なのかしらあの運転手は!!!、気が狂ってるわ、子供と母親を引き裂くなんて!!!!!」とむちゃくちゃご立腹。
「いやーあの、私がちょっとよく理解できてなかったようで、、、、」運転手は、アジアの私の顔を見て、ご丁寧にも英語でこう言ったのだ。「I leave now. So you will see it(部品のこと), maybe.」そういえば確かに、leaveと言ったしなあ、、、でも、なら何で、私が部品を見つけるようなことを言ったんだろう?彼も自分の知っている限りの英語で何とか伝えたような感じだったし、もしかすると「もう、行くよ。いつまでもこんな所に止まってられないんだから。見つけたければ、ここに残って探してれば?」ってことだったんだろうか?、、、にしても、子供がバスの中、母親がバスの外じゃあ、出発したら駄目でしょう?と思ったけれど、そんなことより、息子と再会できて、そうさせてくれた人がいて、私は嬉しかった。
まだまだ、パニックで泣いている息子を、男の子は持っているベルをチリンチリンと鳴らしてあやそうとしてくれてる。「ありがとうね。ほんとに。」ちょっと照れて笑っている。 おばさんも、まだまだ興奮状態だけれど、とにかく良かったと笑顔。もう一人の女性も、再会を、見届けて去っていった。
「こんなに親切な人がいるじゃない。もう、スイスを引き揚げて日本に戻ったるぞ、と思ってたけど、もうちょっと頑張ってみるか?スイス人もなかなかいい人達。」、、、、、と思ったのもつかの間、助けてくれた3人の内、スイス人は若い女の人だけ。、、、何か変なオチ。
ああ、そうそう、もう一つの部品は、バスの中に飛んでいったみたいで、男の子がしっかりとはめなおしておいてくれました。
05/08/01