ボン君の成長記録(14ヶ月目)

 

 もう、離乳食だけで栄養を摂らないとだめということで、私はあれやこれやの本、インターネットなどで栄養に関する勉強をしていた。この頃何を食べさせていたかという記録を見てみると、本当にまんべんなく、色々な物を食べさせている。でもちょっと気負いすぎていたかなという気もする。食べやすさ、消化しやすさ、栄養のバランスなど考えるのが本当に大変だった。私は凝り性なので、かなり疲れた。

 そして、早々に歯が生えそろってしまったために、歯磨きの大切さも感じていた。でも、毎食後歯を磨く、少なくとも歯ブラシをくわえさせるのは、なかなか難しい。なんだかんだしている間に、今日も歯磨きをするの忘れていた、ということはしょっちゅうだった。

 ある日、私達夫婦は朝早くから夜遅くまで出かけなければならない用事があって、主人の姉にその前の晩から、子供を預けたことがあった。身内なので安心ではあったけれど、おむつから、着替えから、緊急連絡先、かかりつけの医者の連絡先等々用意が大変だった。でも、今回もやっぱり当の本人は、親を欲するでもなく、飄々と過ごして、彼を可愛がってくれる従姉達と楽しい時を過ごしたようだ。

 もうこの頃になると歩き方も、堂に入っていて、危なげがなかったのだが、外に出て歩くときも、季候が良かったので裸足で歩かせていた。でも、靴で歩かせる練習もしようと思ったのだが、靴に慣れるまでは歩き方が危なっかしく、一度階段から落ちて瘤が出来たこともあった。

 私は、私のためにあれもこれもしたいと思う、欲張りな母親で、子供がぐずったり、なかなか寝なかったりすると、すぐ私の機嫌が悪くなって当たることもあって、息子にしてみれば迷惑この上なかっただろうと思う。それに息子は、勿論私達のしていることに興味津々で、すぐ周りに纏ってくるので、息子が起きている時はしたいことは何もできない。家事は、掃除機をかければ後ろから楽しそうについて来るし、料理をするときは、椅子に座らせているとおもしろそうに見ているしで、意外とはかどったので、家事を起きている間にしてしまって、彼が寝ているときはとにかく自分のために何かをするということにした。

親の身勝手と、息子の当然の要求はまるで噛み合うものではない。

 私は出不精で、食糧の備蓄等の問題がなければ、毎日毎日家の中にいても全く大丈夫な人。でも、子供はやっぱり外で美味しい空気を吸って、色んな刺激を受けた方がいい。だからこの頃の育児日記には「もっと外に行かないと、、、。外で遊ばせないと、、、。」という反省の言葉が並ぶ。

 家の中にいるときでも、どういう風に一緒に遊んでいいのか分からなかった。勿論幼稚園のように、一緒にお絵描きしたり、音楽に合わせて踊ったりということは出来ないことは分かっていたけれど、私と同じ事を息子がすることは無理でも、歌を歌ってあげるとか、自分なりの方法で、すぐそばにいてあげるということの大切さをこの頃はよく理解していなかった。そして、何かいつも、母親として自己嫌悪に陥っていた。

 14ヶ月目も終わる頃、私達一家はパリへ旅行した。3泊だったけれど、とっても暑い日々で、息子も毎日毎日パパとママと一緒で楽しそうだった。旅行は、近くで短くても、親子双方にとってストレス解消になる。

 もう保健所に行っても、体重や身長を測るときにじっと出来なくなっていたので、記録がないのだが、成長の速さは勿論緩やかになっていた。

07/03/02